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2017年度の食肉:世界的な生産量の拡大

世界的な肉製品への需要の高まりにより、食肉生産収益性が向上しました。加えて、低飼料コストおよび良好な気候条件も、収益性の飛躍に一役買いました。一方、様々な動物の病気(鳥インフルエンザ、アフリカ豚コレラ)などの不可避な課題もあり、さらに世界各地で生産面の再編成が行われています。

豚肉

生産性の向上により、豚肉製品の生産増加につながりました。中国では、長らく生産量が低下していましたが、現在は回復しました。中国では、伝統的な養豚から現代農法へと転換が進められています。これに関連し、安全性や環境に対する注目も高まっています。北アメリカでは養豚業に対する楽観的な見通しが、大規模な生産力の拡大につながりました。また、ヨーロッパにおいては、頭数が減少しましたが、中国における需要の高まりによる予期せぬ価格上昇のため、農家によっては撤退の遅延や投資の拡大が行われました。一方、ロシアは長年国家補助や保護政策の恩恵を受けてきましたが、提供の増加は市場に吸収されるのか否かという疑問が今生じています。

より生産的な家畜、より重い枝肉、生産力の拡大、企業の垂直統合と融合した輸出が、養豚産業の今後の発展に重要な要素になるでしょう。国際競争が激化し、保護貿易措置がとられています。

牛肉

2017年度は、世界の牛肉生産量が2.3%増加しましたが、2018年にはこの成長が減速し、その後の数年間は低下することが見込まれています。家畜価格の高騰により屠殺される頭数が増加し、また南北アメリカでは良好な放牧環境と低コストの飼料のおかげで、重量増加につながりました。しかし、これから価格が低下し始め、2018年は南北アメリカにとってターニングポイントになるかもしれません。オーストラリアでは、2年間生産量が減少しましたが、放牧環境の改善により枝肉の重量が増加したため、再び生産量が増加しています。また、特に乳牛の屠殺頭数の増加および枝肉重量の増加により、ヨーロッパにおける生産量も増加しましたが、2018年には停滞が予想されています。

牛肉の生産量の増加は、数か国に限定されたものであり、地域によって大きく異なります。主に南半球で増えています。

全世界食肉生産量2015年~2018年.png